偏差値の正体 偏差値が90ってナニ?

大学受験の模擬試験でなら学力偏差値が90はあり得る

「学力偏差値が、90なんてことはあるんでしょうか。」という質問がありました。

結論から言えば、大学受験の模擬試験では出現する値です。

20万人受験するような大学受験の模擬試験で全国1位を取ると学力偏差値が100を超えることがありますが、満点が100点なのに学力偏差値が100を超えるということが心理的に抵抗感があるので、100を超えた場合は、システム的に99.9と表示させます。

学力偏差値が100を超えるときの計算例

標準偏差が12で平均点が30点の時に100点を取った人は、

学力偏差値 = (100-30)/ 12 × 10 + 50 = 108.3 です。

実際の成績集計では、100を超えるものは全て99.9として処理します。

それでは、逆に、学力偏差値がマイナスになることはあるのでしょうか。

計算式的には有り得ますが、実際には出現しないと思います。高校受験では、せいぜい20~80の範囲ですし。大学受験の場合は、上の例で言えば0点でも学力偏差値は25です。もし、計算上、本当にマイナスの値が出たとしても学力偏差値を0として表示することになるでしょう。

。。。ということで、模擬試験の成績表で学力偏差値の取り得る値は、0~99.9となります。

学力偏差値開発者の想定を超える使用法

学力偏差値の開発者である桑田昭三氏は、学力偏差値が25~75の範囲で概ね収まるように設計しました。自分の学校の生徒が高校受験するための『モノサシ』用に開発したのですから、これで十分だったのです。

確かに、受験者数が多くなれば、『異常値』が出現する確率も高くなります。ただ、中学生レベルでは大した『異常値』は出現しません。模擬試験の開催が全国規模ではなく都道府県単位だからです。
私も中学3年生の時、1回だけ英語で学力偏差値80を取ったことがありますが、このあたりが上限です。

しかし、大学受験の場合は状況が異なります。

大学受験では、模擬試験の受験者は全国から10万~20万人規模で集結します。

当然、『異常値』を持った受験者が多く存在します。最難関校を受験する超トップ層がこの集団です。当然のことながら、100点続出では東大クラスの受験者に対して正しい合格判定が出来ません。そのため、高校受験の模擬試験は平均点に重点を置いて制作されますが、大学受験では最高点に重点を置いて制作されます。

結果として、平均点が30点、標準偏差が12ぐらいのこともあり得ます。

下の分布図の中で、緑色のパターンをイメージしてみてください。
100点の人はこの曲線の1番右に居ることになりますので、受験生全体からすれば出現率はほとんどゼロですが、このような受験生を受け入れる大学が存在するのですから、合格判定する必要が有るわけです。

高校受験の模擬試験では学力偏差値は80が上限域

高校受験の模擬試験は、埼玉県の北辰テストであれば受験者数も50,000人前後。

そこで、1番を取ったとしても、平均点との関係もあり、90という学力偏差値は出現しないと思います。

本来の設計が25~75の範囲で概ね収まるようなっているのですから、高校受験の模擬試験では妥当なところですね。

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