高校受験における合格判定基準と学力偏差値の見方 実践編

学校の成績は良いのに、模擬試験の学力偏差値が伸びず、志望校の合格判定もとても低くて心配になったことはありませんか。

簡単の考えがちな理由が、『学校間格差』です。
「きっと、ウチの学校は〇〇市の中でも学力平均が下から☐番目と噂されているから。。。」
それも、確かに影響が無いとは言えません。学校間格差は深刻な問題の一つです。

次に考えがちなのが、『塾に通っていないから』ということです。
「学校では、入試に対応できる実践的な勉強は教えてもらえないんだわ。」
それも、公立中学に関して言えば当たっています。
公立中学は、税金で運営されていますから学力重視です。受験テクニックは教えません。

でも、実はもっと大きな要因があります。

これから出す2つの質問に答えれば、答えが分かります。

1つ目の質問です。

その模擬試験は、いつ受験したものですか?
1年生の3月ですか? 2年生の3月ですか?

下のグラフは、ある県で2014年度に高校をした生徒たちの模擬試験受験率です。
学校の成績は良いのに、模擬試験の学力偏差値が伸びない原因が一目瞭然ですね。

一番大きな理由は、中学3年生の夏まで模擬試験の母集団メンバーが揃わないということです。

模擬試験参加の時期は、4つの段階に分けることが出来ます。

第1段階 中学2年生の秋までは、80%の生徒が模擬試験を受験しません。

第2段階 中学2年生の終わりに、少しだけ意識が高まって受験率が上がります。

第3段階 中学3年生の春になると、半数の生徒が受験するようになります。

第4段階 クラブも引退すると、いよいよフルメンバーが揃います。
スポーツ推薦や、私立単願、就職希望者を除けば、全体の80%でフルメンバーです。

第1段階では、学力偏差値が低めに出ます。
『勉強が出来る生徒』が多くの割合を占めているので、相対評価である学力偏差値はかなり低く出ます。おそらく、本来の実力よりも5ポイントぐらいは低いと思います。ですから、もしこの段階で学校でトップクラスの成績なのに学力偏差値が60程度しか出ていないとすれば、+5ポイントして65ぐらいだと思っていれば良いと思います。

第2~3段階では、急に学力偏差値が上がります。
今まで、高校受験に興味が無かった受験者たちが母集団の下位層に入ってくるので、相対的に上に押し上げられる形で学力偏差値が上がります。実力が上がったわけではないので、気を抜かないでください。

第4段階では、クラブ活動を引退して、皆が全力で入試に取り組む時期です。
夏までに基礎力を高めておかないと、秋以降に成績が伸びなくなります。

2つ目の質問です。

志望校への合格可能性を判断するとき、どの段階の模擬試験で判断していますか?

受験率のピークは9月ですが、学力のピークは当然入試当日にしたいはずです。

ここに大きな問題があります。

9月~12月にかけて徐々に受験率が下降しているのは、模擬試験の成績で『優遇推薦』を出す私立高校があるからです。東京都では完全撤廃されているこの風習ですが、他府県では、まだまだ利用されているようです。
つまり、『優遇推薦』をもらった生徒は、当日の試験が余程ひどくない限り合格できるので、模擬試験を受ける必要がなくなります。

また、年明けの1月模擬試験に至っては、40%しか受験しません。これは、公立や『入学内定』を出さない私立を第1志望にしている生徒だけが受験するからです。こうなると、正しい学力偏差値は出せませんので、学力偏差値による合格判定も意味が無くなります。

当然のことながら、12月の模擬試験の結果を参考に公立の志望校を決定するしかありません。

ただ、中学生の場合は、ここからがもう一伸びします。暮れから、入試直前にかけてターボが効いてきて爆発的に学力が伸びる子が少なくありません。忘れがちで欠落している知識のマスターや過去問の徹底復習で、『取り こぼし』のない、安定した『得点力』が身に付きます。

あとは、本番に向けて万全の体調で臨みましょう。

2014saitamamoshi

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